大学病院は、「医療機関」「教育機関」「研究機関」という3つの役割を持っている。そのため求人の傾向としては、育成の対象となる若い看護師の採用と、研究への意欲がある看護師の採用が多い。しかし、大学病院自体が全国に約170とそれほど多くないため、そもそもの採用数が少なく、中途採用に至ってはより少ない。
大学病院に就職したいと考えた時、基本的に年齢に制限はないが、先述のとおり教育機関でもあるため30代あたりまでが採用されやすい。しかし40代以上であっても、実務経験が長くさまざまな技術や知識を有しているなど、病院側が求めるだけの実力を持っていて、さらに今後もスキルアップのために勉強する意欲があることをアピールできれば、採用されやすくなる。
では実際に大学病院で働くとなった場合、どのような働き方になるのかというと、ほぼ一般病院とシフトは同じ流れとなる。夜勤が難しい場合には、日勤のみの外来を希望するという方法もあるため、それだけで諦める必要はない。逆に大学によっては、夜勤専門の看護師がいることもあり、働きやすいようにさまざまな工夫がされている。
休日や休暇についても、大学病院は運営している法人によってしっかりと定められており、年間休日の平均は118日(国立125.5日、公立127日、私立116日)であり、有給休暇も希望すればしっかりと確保することができる。福利厚生面でも同じで、保育施設や寮があるなど大学によってさまざまであるため、求人を探す際にはホームページで確認しておくと良いだろう。スキルアップやキャリアアップを目指す、学習意欲の高い看護師にとって、大学病院はたいへんやり甲斐のある職場である。